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山永興産のよもやま話~人材不足~

皆さんこんにちは!

株式会社山永興産です。

 

~人材不足~

 

鋼構造物工事業において、近年特に大きな課題となっているのが人材不足と技術継承です。鋼構造物工事は、建物や橋梁、工場、倉庫、プラント設備などを支える重要な仕事であり、社会インフラや産業活動に欠かせません。しかし、その現場を支える職人や技術者の確保が年々難しくなっています。

鋼構造物工事には、鉄骨鳶、溶接工、鍛冶工、施工管理者、玉掛け作業者、クレーンオペレーター、検査担当者など、多くの専門職が関わります。それぞれの役割には高度な知識と経験が必要であり、誰でもすぐにできる仕事ではありません。特に大型鋼材を扱う現場では、わずかな判断ミスが事故や施工不良につながるため、熟練した技術が求められます。

しかし、建設業全体で若手人材の確保が難しくなっている中、鋼構造物工事業でも担い手不足が深刻化しています。現場作業に対して「きつい」「危険」「体力が必要」「高所作業が怖い」といったイメージを持つ人も多く、若い世代から敬遠されやすい面があります。

確かに、鋼構造物工事の現場は楽な仕事ではありません。重い鋼材を扱い、高所で作業し、天候の影響を受けながら、安全に気を配って施工を進める必要があります。夏は暑く、冬は寒く、雨風の中で工程調整に追われることもあります。体力だけでなく、集中力、判断力、チームワークも求められます。

しかし、その一方で、鋼構造物工事には大きなやりがいがあります。何もなかった場所に鉄骨が立ち上がり、建物や施設の骨組みが形になっていく様子は、他の仕事ではなかなか味わえない達成感があります。大型の建物や橋梁に関わった場合、その構造物が長く地域に残り、多くの人に利用されることになります。

自分が携わった建物が街に残る。自分の仕事が人々の暮らしや産業を支える。この誇りは、鋼構造物工事業ならではの価値です。しかし、その魅力が若い世代に十分伝わっていないことも、人材不足の一因です。

人材不足が進むと、現場にはさまざまな影響が出ます。まず、工期への対応が難しくなります。鋼構造物工事では、決められた工程に合わせて鉄骨の建方や接合作業を進めなければなりません。しかし、必要な人員が確保できなければ、予定通りに作業を進めることが難しくなります。

人員が不足している状態で無理に工程を進めようとすると、一人ひとりの負担が大きくなります。疲労が蓄積すれば、ミスや事故のリスクも高まります。特に高所作業やクレーン作業を伴う鋼構造物工事では、作業員の集中力が非常に重要です。人材不足は、安全管理にも直結する課題なのです。

また、技術継承の問題も深刻です。鋼構造物工事には、図面を読み取る力、鋼材の特性を理解する力、現場での納まりを判断する力、溶接やボルト接合の技術、建方時の調整力など、経験によって身につく技術が多くあります。これらはマニュアルだけで完全に習得できるものではありません。

ベテラン職人は、図面だけでは分からない現場の勘所を持っています。吊り荷の動き、風の影響、鋼材のわずかな歪み、建方の順序、溶接による変形、ボルト穴の合わせ方など、現場での判断には経験が必要です。こうした技術を次世代へ伝えなければ、会社全体の施工力が低下してしまいます。

しかし、現場が忙しいと、若手にじっくり教える時間が取れないことがあります。ベテランが自分でやった方が早い、若手に任せると時間がかかる、ミスが心配という理由で、結果的に若手が経験を積む機会を失ってしまうケースもあります。

この状態が続くと、若手は成長できず、ベテランの技術は継承されないままになってしまいます。数年後、ベテランが引退したときに、重要な作業を任せられる人がいないという問題が起こる可能性があります。これは、鋼構造物工事業にとって非常に大きなリスクです。

また、鋼構造物工事では資格や教育も重要です。玉掛け、溶接、クレーン、高所作業、フルハーネス、鉄骨組立作業主任者など、現場で必要となる資格や講習は多くあります。若手を育てるためには、資格取得の支援や安全教育を継続的に行う必要があります。

しかし、中小規模の会社では、教育コストや人員の余裕が課題になることもあります。現場に出ながら資格を取得し、経験を積み、技術を高めていくには、会社側の計画的な育成体制が欠かせません。

人材不足を解決するためには、まず業界の魅力を発信することが重要です。鋼構造物工事は、社会を支える大きな仕事であり、専門技術が身につく仕事です。手に職をつけられ、資格取得によってキャリアアップも目指せます。完成した構造物が形として残るため、やりがいや誇りも感じやすい仕事です。

こうした魅力をホームページやSNS、求人情報、会社紹介動画などで分かりやすく伝えることが必要です。若い人にとって、仕事内容が見えない業界は不安に感じやすいものです。実際の現場風景、働く人の声、未経験から成長した事例、資格取得支援、福利厚生、安全対策などを発信することで、応募へのハードルを下げることができます。

また、職場環境の改善も欠かせません。昔ながらの「見て覚えろ」「厳しくて当たり前」という風土だけでは、若い人材は定着しにくくなっています。もちろん現場の安全を守るためには厳しさも必要ですが、教育には分かりやすさと丁寧さが求められます。

若手が質問しやすい雰囲気、段階的に技術を学べる仕組み、失敗を改善につなげる指導、適切な評価制度などがあることで、人材は育ちやすくなります。現場での経験を記録し、写真や動画で作業手順を共有することも、技術継承に役立ちます。

さらに、働き方の改善も重要です。建設業では長時間労働や休日の少なさが課題になることがあります。若い世代は、収入だけでなく、働きやすさや将来性も重視します。休日の確保、残業管理、福利厚生、安全装備の充実、キャリアパスの明確化など、働き続けやすい環境づくりが必要です。

鋼構造物工事業は、職人の経験とチームワークによって支えられています。人材不足は単なる人数の問題ではなく、技術力、安全性、品質、会社の将来に関わる重要な課題です。だからこそ、今いる人材を大切に育て、新しい人材に業界の魅力を伝えていく必要があります。

鋼構造物工事は、社会に必要不可欠な仕事です。建物の骨組みを作り、橋を支え、工場や設備の基盤をつくる。こうした仕事を担う人がいなければ、街づくりも産業も成り立ちません。

人材不足と技術継承の課題は簡単に解決できるものではありません。しかし、教育体制を整え、働きやすい環境を作り、業界の魅力を発信し続けることで、次世代につながる道は開けます。

鋼構造物工事業の未来を守るためには、人を育てることが何より重要です。鉄を組み上げる技術だけでなく、誇りや責任感、安全意識も次の世代へ伝えていくこと。それが、これからの鋼構造物工事業に求められる大きな課題なのです。👷‍♂️🏗️✨