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山永興産のよもやま話~正確に組み上げる~

皆さんこんにちは!

株式会社山永興産です。

 

~正確に組み上げる~

 

鋼構造物工事では、工場で製作された柱や梁を現場へ運び、クレーンで吊り上げながら組み立てます。この工程は「鉄骨建方」と呼ばれます。

鉄骨部材は非常に重く、長さもあります。吊り上げた部材は風の影響を受けやすく、わずかな操作ミスでも周囲の構造物や作業員へ危険を及ぼす可能性があります。

また、柱を立てる位置や高さが少しずれるだけでも、上部の梁やほかの部材が納まらなくなることがあります。

鋼構造物工事業における建方技術とは、クレーンで鉄骨を持ち上げ、ボルトで固定することだけではありません。作業順序、重心、合図、仮固定、建入れ調整などを総合的に管理し、巨大な骨組みを安全かつ正確に完成させる技術です

今回は、鋼構造物の建方とクレーン作業を支える技術について紹介します。

建方計画を事前に作成する

鉄骨建方を始める前に、どの柱から立て、どの梁をどの順序で取り付けるかを計画します。

建物の端から順番に進める場合もあれば、構造上安定しやすい区画から組み立てる場合もあります。

クレーンの設置位置、吊り上げ能力、旋回範囲、車両動線なども確認します。

大型部材を吊る際は、クレーンと部材の距離によって吊り上げ可能な重量が変わります。

部材の重量だけを見て判断せず、実際の作業半径や高さを考える必要があります

敷地が狭い現場では、搬入車両とクレーンの位置を細かく調整します。

基礎とアンカーボルトを確認する

鉄骨の柱は、基礎へ設置されたアンカーボルトなどを使って固定します。

建方前には、アンカーボルトの位置、高さ、間隔、ねじ山の状態を確認します。

位置が大きくずれていると、柱脚の穴へボルトが入らない場合があります。

無理に柱脚やアンカーボルトを加工するのではなく、ずれの程度と対応方法を関係者で確認します⚠️

基礎天端の高さや不陸も確認します。

柱を設置するためのベースモルタルや調整材が適切な状態かを見ます。

最初の柱脚精度が、建物全体の精度へ影響します。

部材番号と吊る順番を整理する️

現場へ搬入された柱や梁は、部材番号を基に使用場所を確認します。

似た形の梁でも、長さ、穴位置、接合プレートなどが異なる場合があります。

間違った部材を吊り上げると、再び地上へ戻す必要があり、作業時間と危険が増えます。

建方順序に合わせてトラックへ積み込み、現場では必要な部材から取り出せるようにします

吊り上げ前には、部材番号、方向、取付階、接合位置を複数人で確認します。

重心を考えて吊り点を決める⚖️

鉄骨部材を安全に吊るためには、重心を把握する必要があります。

左右対称の梁でも、片側へプレートや金物が付いていると重心が偏る場合があります。

重心を外して吊ると、部材が大きく傾いたり、突然回転したりする可能性があります。

ワイヤーロープ、ベルトスリング、シャックルなどを適切な位置へ取り付けます

長い梁では、二点以上で吊り、たわみや回転を抑えることがあります。

吊り具が鋭い角へ直接当たる場合は、保護材を使用します。

玉掛け用具を点検する️

鉄骨を吊る玉掛け作業では、ワイヤーロープやベルトなどの状態が安全性を左右します。

使用前に、切れ、摩耗、変形、腐食などがないかを確認します。

シャックルやフックの変形、外れ止めの状態も見ます。

使用荷重を超える吊り具を使ってはいけません⚠️

見た目が似ていても、吊り具ごとに使用できる重量は異なります。

部材重量と吊り方を確認し、適切な用具を選びます。

合図を統一してクレーンを操作する

クレーン運転者からは、部材や作業員が見えにくい場合があります。

そのため、合図者を決め、手合図や無線を使って操作を伝えます。

複数の作業員が同時に異なる合図を出すと、運転者が判断できません。

原則として合図を出す人を明確にし、緊急停止の合図は全員が理解しておきます

「少し上げる」「ゆっくり旋回する」「停止する」など、曖昧にならない合図を使います。

無線機を使用する場合は、事前に通信状態を確認します。

地切りで吊り状態を確認する

部材をいきなり高く持ち上げるのではなく、地面からわずかに浮かせる地切りを行います。

この段階で、吊り具の掛かり、部材の傾き、重心、異音などを確認します。

大きく傾いている場合は、再び下ろして吊り点を調整します。

吊り具がずれた状態で高く上げると、修正が難しくなります。

周囲の作業員は吊り荷から離れ、部材の下へ入らないようにします⚠️

介錯ロープで部材の回転を抑える

風やクレーンの動きによって、吊り上げた鉄骨が回転することがあります。

介錯ロープを部材へ取り付け、地上や作業床から方向を調整します。

ただし、ロープを身体へ巻き付けたり、無理に引っ張ったりしてはいけません。

部材が急に動いた際に引き込まれる危険があります。

風が強い場合は、介錯ロープだけで制御しようとせず、作業を中止する判断が必要です️

柱を正確な位置へ設置する

柱を吊り上げ、アンカーボルトへ合わせながら基礎へ設置します。

柱脚プレートをアンカーボルトへ通し、ナットで仮固定します。

この段階では完全に締め付けず、建入れ調整ができる状態を保つ場合があります。

柱の方向を間違えると、梁接合部や設備用金物が反対側になります。

部材番号だけでなく、通り芯や方向表示を確認します

柱を着地させる際は、手や足を柱脚の下へ入れないようにします。

梁を接合部へ導く技術

梁を柱の接合部へ近づけ、仮ボルトなどを使って取り付けます。

梁が揺れている状態で手を接合部へ入れると、挟まれる危険があります。

専用工具やロープを使い、必要な位置へ少しずつ誘導します。

穴位置がわずかにずれている場合は、適切な工具で位置を合わせます。

ボルト穴へ無理に工具を差し込み、大きな力をかけると部材や穴を傷める場合があります⚠️

大きなずれがある場合は、原因を確認します。

仮ボルトで構造を安定させる

梁を取り付けた直後は、必要な本数の仮ボルトを入れ、部材を安定させます。

一本だけで仮固定すると、部材が回転したり外れたりする可能性があります。

仮ボルトの本数や位置は、施工計画や接合部の状態に応じて決めます。

柱と梁を一定範囲まで組み立てたら、ブレースや仮設ワイヤーなどを設置し、骨組み全体を安定させます。

梁を取り付けただけでは、強風や地震に対して十分に安定していない場合があります️

建入れを測定して調整する

柱を立てた後は、鉛直に立っているかを測定します。

トランシットやレーザー機器などを使い、柱上部のずれを確認します。

柱一本だけでなく、複数の柱と梁を組み立てた区画全体で調整します。

ワイヤーや調整器具を使って柱を引き、基準位置へ合わせます。

建物の高さが増すほど、小さな角度のずれが上部で大きくなります。

低層部分から精度を積み重ねることが重要です

仮設ブレースで倒れを防ぐ️

本設の構造部材がすべて取り付く前は、骨組みが不安定な状態です。

必要に応じて仮設ブレースやワイヤーを設置し、風などによる倒れを防ぎます。

「梁が付いているから大丈夫」と判断せず、建方途中の構造状態を確認します。

仮設部材を外す時期も重要です。

本設部材や接合部が十分に完成する前に外すと、構造が不安定になる可能性があります⚠️

高所での移動と作業を安全に行う

鉄骨建方では、高所の梁上や作業床で作業する場合があります。

安全帯、親綱、手すり、作業床などを適切に使用します。

梁の上を移動するときは、足元だけでなく、周囲の吊り荷やクレーンの動きにも注意します。

工具やボルトを落とさないよう、落下防止措置を行います

地上には立入禁止区域を設け、上から物が落ちても人へ当たらないようにします。

天候を見極めて中止を判断する️

鉄骨は風を受ける面積が大きく、吊り上げ中にあおられる場合があります。

雨や雪で鋼材が濡れると、足元が滑りやすくなります。

雷が発生している状況では、クレーンや鋼材を扱う作業は危険です⚡

工程を守るために無理をするのではなく、現場条件を確認して作業を中止・延期する判断が必要です。

安全な建方は、作業を進める技術だけでなく、止める技術によっても支えられます。

建方技術は巨大な部材をチームで操る力

鋼構造物工事業における建方技術とは、クレーンで柱や梁を持ち上げることだけではありません。

建方順序、吊り点、合図、仮固定、建入れ、仮設補強などを計画し、作業員全員が同じ手順で動くことです。

鉄骨部材は重く、わずかな動きでも大きな危険を生みます。

だからこそ、吊る前の確認、地切り、合図、位置調整を一つずつ確実に行います。

巨大な鋼材を数ミリ単位で組み上げ、空中に建物の骨組みを完成させる仕事は、高度な技術とチームワークによって成り立っているのです️✨