新着情報

山永興産のよもやま話~強さを接合部で~

皆さんこんにちは!

株式会社山永興産です。

 

~強さを接合部で~

 

鋼構造物は、柱、梁、ブレースなどの部材を接合することで、一つの大きな構造体になります。

どれほど強度の高い鋼材を使用しても、部材同士をつなぐ接合部の品質が不十分であれば、構造物全体の性能を発揮できません。

鋼構造物の接合には、溶接、高力ボルト、一般ボルトなどが使われます。

溶接では金属を溶かして部材を一体化し、高力ボルトではボルトを強く締め付けることで接合面を固定します。

どちらも見た目だけで品質を判断することはできません。溶接内部の欠陥、ボルトの締付け不足、接合面の汚れなどは、完成後に不具合の原因となる可能性があります。

鋼構造物工事業における接合技術とは、ボルトを締め、溶接棒を動かすことだけではありません。材料、接合部、温度、作業姿勢、検査方法を理解し、設計された強度を確実に実現することです😊

今回は、鋼構造物の強さを支える溶接と高力ボルト施工の技術について紹介します。

接合方法の違いを理解する🔍

溶接接合は、鋼材同士を溶融させ、一体化させる方法です。

複雑な形状へ対応しやすく、接合部を比較的コンパクトにできる特徴があります。

一方、高力ボルト接合は、工場で加工された部材を現場でボルトにより組み立てる方法です。

溶接に比べて現場作業を管理しやすい場合がありますが、穴位置や接合面の精度が重要です。

同じ建物の中でも、工場では溶接、現場では高力ボルトといった使い分けが行われます。

設計図や施工要領を確認し、指定された方法で施工します📖

溶接前に接合部を清掃する🧹

溶接する部分へさび、油、水分、塗料などが付着していると、溶接品質へ影響する可能性があります。

必要な範囲を研磨し、清潔な金属面を出します。

雨で濡れた鋼材を十分に乾燥させずに溶接すると、気孔や割れなどの原因になる場合があります💧

溶接する直前に状態を確認し、付着物を除去します。

開先内部へ切断くずや異物が残っていないかも確認します。

下地処理は完成後には見えませんが、溶接品質を支える重要な工程です。

開先形状とルート間隔を整える📐

厚い鋼材を突き合わせて溶接する場合は、端部を斜めに加工した開先を設けます。

開先角度、ルート間隔、ルート面が適切でなければ、内部まで十分に溶け込まない可能性があります。

隙間が広すぎると、溶け落ちや溶接量の増加につながります。

狭すぎると、溶接金属が奥まで入りにくくなります。

組立時に複数箇所を測定し、溶接中に部材が動かないよう仮付けや治具で固定します🔧

溶接条件を材料と板厚へ合わせる🔥

溶接では、電流、電圧、速度、溶接材料などを調整します。

電流が低すぎると溶け込み不足となり、高すぎると過大な熱や溶け落ちにつながる場合があります。

移動速度が速すぎれば細く不十分な溶接となり、遅すぎれば溶接金属が過剰に盛り上がり、ひずみも大きくなります。

鋼材の材質、板厚、溶接姿勢に応じた条件を選びます。

施工中はアークの音、溶融池の形、ビードの状態を確認しながら調整します👀

予熱で急激な冷却を抑える🌡️

厚い鋼材や特定の材質では、溶接前に周辺を温める予熱を行う場合があります。

冷たい鋼材へ急激に熱を加えると、溶接後に急速に冷え、割れの原因となる可能性があります。

予熱によって冷却速度を緩やかにし、水分を除去する効果も期待できます。

必要な予熱温度は、材質、板厚、施工条件などによって異なります。

温めすぎればよいわけではありません。

温度計や測定材を使って管理し、溶接中の温度も確認します🔥

溶接順序で変形を抑える🔄

溶接部は冷える際に収縮するため、施工順序によって柱や梁が変形します。

片側だけを長く連続して溶接すると、部材が一方向へ引かれる可能性があります。

左右を交互に施工する、中央から外側へ進める、複数人でバランス良く施工するなどの方法を使います。

大型部材では、全体の形を測定しながら溶接を進めます📏

変形してから大きく修正するより、施工中に変化を予測して抑えることが重要です。

多層溶接では各層を確認する🔍

厚い部材では、一度の溶接で完成させず、複数の層に分けて溶接します。

一層ごとにスラグや付着物を除去し、割れ、気孔、融合不良などがないかを確認します。

不具合を残したまま次の層で覆うと、内部欠陥となる可能性があります⚠️

ビードの位置や重なりを調整し、開先全体を均一に満たします。

途中工程を丁寧に確認することが、完成した溶接部の品質につながります。

現場溶接では作業環境を整える🌬️

屋外の現場では、風によってシールドガスが流され、溶接品質が不安定になることがあります。

防風設備を設け、強風時には作業を中止します。

雨や雪が溶接部へ当たらないよう、適切な養生も必要です🌧️

高所では、作業姿勢や足場が不安定になりやすいため、安全な作業床を確保します。

溶接機、ケーブル、ガスホースを整理し、つまずきや損傷を防ぎます。

品質と安全の両方を守れる環境をつくることが大切です。

溶接部の外観を検査する👀

溶接後には、ビードの形、幅、高さ、連続性などを確認します。

溶接部の端に溝ができる状態、表面の穴、割れ、過度な盛り上がりなどがないかを見ます。

すみ肉溶接では、必要な脚長が確保されているかをゲージで測定します📏

外観がきれいでも内部に欠陥がある場合があるため、外観検査だけですべてを判断することはできません。

しかし、施工状態を早く把握するための重要な検査です。

非破壊検査で内部品質を確認する📡

重要な溶接部では、超音波探傷試験などの非破壊検査が行われる場合があります。

製品を壊さず、内部に大きな欠陥がないかを確認できます。

検査で不具合が見つかった場合は、位置と範囲を確認し、該当部分を除去して再溶接します。

単に補修して終わるのではなく、なぜ欠陥が発生したかを振り返ります🔄

開先、清掃、電流、溶接姿勢などを確認し、同じ不具合を繰り返さないようにします。

高力ボルトの種類と状態を確認する🔩

高力ボルト施工では、ボルト、ナット、座金を正しい組み合わせで使用します。

径、長さ、種類、数量を確認し、さびや大きな損傷がない状態で保管します。

雨や泥で汚れたボルトをそのまま使用すると、締付けへ影響する可能性があります。

現場では箱や容器へ入れ、必要な分だけ作業場所へ運びます📦

異なる種類のボルトを混在させないよう、表示と保管場所を分けます。

接合面を正しく密着させる🔗

高力ボルト接合では、接合する鋼材同士の面が適切に密着していることが重要です。

接合面へ厚い塗膜、油、異物などがあると、設計された状態を得られない可能性があります。

製作・塗装段階から、接合面の処理範囲を確認します。

部材の間へ大きな隙間がある場合、ボルトを締めて無理に引き寄せるのではなく、原因を確認します⚠️

部材の変形や製作誤差が関係している場合があります。

仮締めから本締めへ進める🔧

ボルトは、最初から一か所だけを完全に締め付けるのではなく、接合部全体が均一に密着するよう仮締めを行います。

中心部から外側へ進めるなど、接合部に合った順序で締めます。

すべてのボルトが入っていることを確認し、部材の位置を整えてから本締めを行います。

本締めでは、使用するボルトの種類に応じた管理方法を守ります。

締め忘れや二重締めを防ぐため、完了したボルトへ印を付ける方法もあります✅

締付け結果を記録する📋

接合箇所ごとに、ボルト本数、締付け状況、検査結果などを確認します。

完了後には、未施工のボルト、ナットの向き、座金の不足などがないかを見ます。

高所では見落としが起こりやすいため、区画や階ごとにチェックします。

写真や検査記録を残し、いつ、どの箇所を確認したかを分かる状態にします📷

接合技術が構造物全体の強さを生む🌟

鋼構造物工事業における溶接・高力ボルト施工の技術とは、鋼材同士を離れないようにつなぐことだけではありません。

溶接では、清掃、開先、温度、施工順序、検査を管理し、内部まで確かな接合部をつくります。

高力ボルトでは、接合面を整え、正しい順序と方法で締め付けます。

柱や梁の強さは、接合部を通じて建物全体へ伝わります。

一つひとつの溶接線とボルトが確実に施工されることで、巨大な鋼構造物は初めて一つの強い構造体になるのです🔥🔩🏗️✨